『蘭医繚乱』で「西の適塾、東の順天堂」描く- 海堂尊氏に聞く◆Vol.1

明治時代の医学者の巨頭を取り上げた『奏鳴曲 北里と鴎外』（文藝春秋）に続いて、海堂尊氏がこの10月に上梓するのが、『蘭医繚乱 洪庵と泰然』（PHP研究所）だ。緒方洪庵（1810～1863年）は、1838年に大坂で蘭学塾「適々斎塾（適塾）」を開いた医師・蘭学者。佐藤泰然（1804～1872年）は同じく1838年に江戸日本橋薬研堀に、蘭医学塾「和田塾」、後に下総佐倉で蘭医学塾「順天堂」を創始した人物だ。彼らが開いた塾は、現代では順天堂大学と大阪大学になっている。...