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臨床での経験や疑問こそが研究テーマにつながる

オピニオン 2024年6月23日 (日)  櫻井滋・元岩手医科大教授

研究を日常とする東北大学第一内科1)の面々も、臨床を免除されているわけではなかった。レベルの高い研究室では研究期間と臨床期間が明確に分かれているラボが多いと聴いていた。しかし、当時の第一内科は違っていて、大学病院での臨床も同時に担当していたのである。研究をメインとする生活をしている彼らの背後には地方の医療機関で地域医療を担当している多くの同門や教室員が存在する。仲間が臨床を担っている間に、その仲間の分まで研究するという仕組みであった。第一内科の研究者や役職者が自らのキャリアのためだけに教室運営や研究活動をしているという訳ではないことを知った。少なくとも、あの頃は日本では研究と臨床を両立させねばならないと悟った。...