日常診療で疑問が出たとき、論文執筆や学会発表のために、文献を検索する機会は多いが、欲しい文献をデータベースから素早く見つけることは意外と難しいのではないだろうか。そんな苦手意識がある医療従事者に向けて書かれたのが、『膨大な医学論文から最適な情報に最短でたどり着くテクニック』(新興医学出版社)だ。PubMed、Google Scholar、Embaseなどよく使う文献データベースのそれぞれの特徴や使い方が解説されている文献検索の基本を網羅した、初学者にも最適な一冊となっている。著者の重見大介氏(東京大学大学院臨床疫学・経済学)、岩上将夫氏(筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野助教)に本書の狙いや具体的な使い方を聞いた。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・河野祐子/2021年8月19日取材)
“初心者向け”文献検索の本を作った理由
――まず、お二人の簡単な自己紹介をお願いします。
重見大介氏(以下、重見) 私は産婦人科医ですが、医師7年目くらいの頃、臨床研究をやりたい、論文をもっと効率的に診療に使いたいと考え、公衆衛生大学院へ進学しました。その後、現在も在籍している東...
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