国立国際医療研究センターは9月29日、オンラインでメディアセミナーを開催し、同センターAMR感染症リファレンスセンターの松永展明氏が国内のいわゆるブレークスルー感染で入院した患者の実態を報告した。基礎疾患を有する高齢者の入院が多かったものの、非接種者に比べICU入室や抗ウイルス薬、抗体医薬の使用割合が少なかったという。(m3.com編集部・坂口恵)
非接種に比べ感染が8分の1、入院・死亡は25分の1
松永氏によると、SARS-CoV-2ワクチンは他のワクチン同様、100%感染を防げるわけではないが、2回接種完了後のいわゆるブレークスルー感染時には症状が出ても軽いことが明らかになっているという。また、これまでの報告から、ワクチン接種者は非接種者に比べ感染が8分の1、入院や死亡は25分の1にとどまっている。米疾病対策センター(CDC)が行っている2021年9月20日時点のブレークスルー感染コホート調査によると、入院患者の20%が死亡し、そのうち87%は65歳以上の高齢者と報告されている。
ブレークスルー感染による入院例の8割は基礎疾患あり
松永氏らは、国内でワクチ...
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