PPI長期使用の副作用、実際のところは?【時流◆PPIの適切な使い方】
木下芳一氏 胃酸の分泌を強力に抑制するプロトンポンプ阻害薬(PPI)は、GERD(胃食道逆流症)や消化性潰瘍、NSAID潰瘍などの治療になくてはならない存在であり、今や世界で最もよく使われている薬剤の一つとなっている。その一方で、長期使用による副作用を懸念する声もいまだ多い。PPIなどの酸分泌抑制薬の適切な使い方について聞く本シリーズの第1回は、はりま姫路総合医療センター整備推進機構理事長の木下芳一氏(製鉄記念広畑病院病院長、県立姫路循環器病センター院長)に、PPIの適切な使い方や副作用などについて話を聞いた。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・高嶋秀行/2021年8月6日取材、全3回連載) PPIの適切な使い方 NERDへのPPI、有効率は15-20% ――近年、食生活の欧米化や、ピロリ菌(Helicobacter pylori)の感染率低下に伴う胃酸分泌の増加などを背景に、GERDの患者が日本でも増加し、注目を浴びています。GERDに対しては、胃酸の分泌を強力に抑えるPPIやP-CAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)が第1選択薬となっていますが、一方でGERDの一部であ...
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