ステロイド叩きを乗り越えて【平成の医療史30年◆アレルギー疾患編】
アレルギー疾患は過去30年以上にわたり世界的規模で増え続けており、今や国民の2人に1人が何らかのアレルギー疾患を患っているといわれる。喘息をはじめとするアレルギー疾患の治療に尽力し、アレルギー診療のガイドライン作成や吸入ステロイドの普及に努めた国立病院機構福岡病院名誉院長である西間三馨氏に、平成を通じたアレルギー疾患の変遷を聞いた。第1回では、平成に登場したタクロリムス軟膏やロイコトリエン受容体拮抗薬といった新薬が、診療現場をどのように変えたのかについて語ってもらった。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・宮内諭/2018年12月17日取材、全3回連載)
ステロイドとタクロリムスがアトピーを激減
――平成の30年間を通して、アレルギー治療はどう変わりましたか?
アトピー性皮膚炎から話しますと、まず1999年(平成11年)のタクロリムス軟膏(商品名プロトピック)の発売が一つの大きな出来事でした。1990年代、いわゆる「ステロイドバッシング」がかなりあり、ステロイドを使用することに忌避感を覚える患者が多くいました。正しく塗れば副作用も少ないステロイドですが、こ...
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