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蜂窩織炎/丹毒の一般的な原因菌 ─年齢と罹患部位によっても変わりますか?

2025年1月14日  南山堂

Point 1 全般的にはレンサ球菌と黄色ブドウ球菌が多い Point 2 年齢、罹患部位に応じた特定の原因菌に注意したい 蜂窩織炎と丹毒の一般的な原因菌  原因菌の同定には培養検査が必要である。蜂窩織炎/丹毒の培養源としては血液培養、感染部位針吸引、皮膚生検、膿疱/膿瘍、壊死を伴う場合の手術検体などが候補にあがる。ただし、蜂窩織炎で血液培養が陽性になる割合は約2~8%と低く、近年のアメリカのガイドラインではルーチンの血液培養は推奨されていない1、2)。また、膿瘍形成にまで至る症例は稀である。そのため、原因微生物が同定されるのは約15~30%と多くはない2、3)。  伝統的にはレンサ球菌と黄色ブドウ球菌が蜂窩織炎の二大起炎菌であるとされている1)。成人の蜂窩織炎患者における血液培養の結果を報告した研究では、最も多く検出されたのはレンサ球菌(7.1%)で、黄色ブドウ球菌(3.2%)やグラム陰性桿菌(2.8%)よりも多く単離されていた4)。レンサ球菌においてはランスフィールド分類のA群レンサ球菌が最も一般的とされるが、B、C、F、G 群など...