片側・単一だけじゃない！汎発性帯状疱疹と複発性帯状疱疹を学ぶ

V 帯状疱疹の重症度評価、合併症　Question 27 汎発性帯状疱疹とは？ Tips 汎発性帯状疱疹の定義と病態は？ 汎発性帯状疱疹をきたしやすい疾患は？ 汎発性帯状疱疹発症のリスクファクターは？ Answer 1 汎発性帯状疱疹の定義と病態は？ 　水痘・帯状疱疹ウイルス（varicella-zoster virus: VZV）の再活性化は一過性のウイルス血症を引き起こすが、獲得免疫によって速やかに制御され、通常、皮疹は皮膚分節に一致する。ウイルス血症が長引くと、ウイルス粒子が患部から離れた皮膚に到達し、小水疱病変が散在することがある。主たる帯状の病変以外に20個以上の小水疱が全身に散発したものを「汎発性帯状疱疹」と呼ぶ。ウイルス血症をきたし、また免疫不全がベースにあることが多いため、治癒期間の遷延や臓器病変出現のリスクが高まる。 　図1は悪性リンパ腫の化学療法中に生じた汎発性帯状疱疹の自験例であるが、免疫不全を反映して、水疱が大きい、水疱周囲の炎症（紅暈）が少ないといった特徴が観察される。...