2ndステージ、治療ゴールの設定

2ndステージを抜かす失敗が一番多い　ここまで、1stステージのポイントをいろいろと述べてきました。実は多少の巧拙はあれど、大抵の医療者は1stステージはクリアできます。そこはそれほど問題ではありません。問題はその次、2ndステージです。　医師 「今後心臓が止まったときに、心臓マッサージを希望されますか？」　「腎臓の機能が悪くなってきていますが、透析を開始するかどうか、ご家族で話し合ってください」　強調してもしすぎることはないほど、こういう質問をしてしまうケースが非常に多いです。自分自身、気をつけていないとこのトラップにハマってしまうことがよくあります。　これは治療の議論に直接入ってしまっている、という点が問題です。「病状の話をしたあとに治療のことを話して何がいけないのか？」という質問が聞こえてきそうですが、それではだめなのです。　医療における治療の目標は従来、何が何でも救命することであり、1日でも生存期間を延ばすことが私たちの使命でした。実際、医療の進歩により、これまで救命できなかった症例が救命できるようになりました。ICUで1、2カ月生死の淵をさまよった症例が退院になんとかこぎつ...