図1 受診時の陰部写真 症例:11歳男児 主訴:急にお腹が痛くなって目が覚めた。 バイタルサイン:安定、体温36.2℃。 現病歴:夜中に寝ているときに左下腹部痛で目が覚めた。トイレに行ったりしたが痛みが改善せず、徐々に増悪して朝まで待っても痛みが持続しているため救急外来受診となる。 ここでつまずく!研修医の対応 研修医A 「11歳の左下腹部痛か…。左なら虫垂炎ではないだろうから便秘かな。まずは浣腸してよいでしょうか?」 研修医B 「A先生、深夜に下腹部痛で起きて朝まで続くなんて病歴は便秘っぽくないですよ。安易な浣腸に逃げる前に、精巣の痛みを訴えていなくても脱衣させて精巣を直接診察すべきでしょう。ほら、これは左精巣が挙上していて精巣捻転を疑う所見(図1)です。精巣挙筋反射も消失しているからすぐさま泌尿器科にコンサルトしましょう!」 <Snap Diagnosis> 精巣捻転 解 説 『就寝中に急性発症の腹痛』という主訴で精巣捻転を想起するのがポイントです。他には外傷契機の精巣捻転もありますが、就寝中に発症する傾向1)があり、深夜から早朝にかけての救急外来(疲労困憊した研修医しかいない!...
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