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甲状腺機能亢進症の制御不良例を引き継ぐときのポイント

2024年10月21日  南山堂

症例 38歳、男性。32歳時にバセドウ病を発症し、他院で治療を受けていた。 3年前から通院中だが、甲状腺機能の制御が不十分な状態が続いていた。定期受診と確実な服薬を度々指導していたが、仕事の多忙を理由に通院・内服が不規則な状態が続いていた。 以前、手術や放射性ヨウ素内用療法を提案されたこともあるが、仕事を休んでの入院・手術は難しいとのことで断っていた。放射性ヨウ素内用療法なら入院は不要ではあるが、子どもがまだ小さく治療後1週間の間、自宅で子どもとの十分な距離が取れないこと、職場での周囲への被曝の配慮から休業を要することを理由にいずれも断って、内服治療を続けていた。 前医の転勤に伴い、当院に紹介された。 【受診1か月前の所見】 身長174 cm、体重65 kg、BMI 21.5、血圧136/58 mmHg、脈拍104/分・整。眼球突出あり。皮膚湿潤、手指振戦あり。前頸部に甲状腺腫を認める WBC 3,700/μL、好中球49%、FT3 4.61 pg/mL、FT4 0.76 ng/dL、TSH <0.003μIU/mL、TRAb(第3世代)3.85 IU/L 【処方薬】 チアマゾール(...