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にじみ出る出血が持続していたのに医療側が敗訴した理由

2024年10月7日  診断と治療社

本Q&Aの基となった裁判例の概要はこちら 5 判断を分けるポイントに関して Q 本件でも、帝王切開の場で、にじみ出るような出血が持続していたとのことですので、子宮を摘出する必要性や合理性がないとはいえないように思われます。それにもかかわらず、本件で医療機関側が敗訴したのはなぜでしょうか。  A  本判決は「子宮からの出血が持続することが確実であるとまではいえず、子宮の摘出を行わないまま閉腹することが直ちに原告の生命の危険を惹起するとまではいえないこと、筋腫の増大やそれに伴う月経過多・慢性貧血の発生についてもやはり不確実であって単なる可能性に止まること、本件帝王切開に引き続いて子宮摘出手術を行う場合には子宮傍結合織剥離面などからの新たな出血をまねく危険があること、とりあえず閉腹し、子宮からの出血が持続し再手術の可能性が生じたときに、原告の同意を得て子宮の摘出をすることも可能であり、治療の手法として十分考慮に値するものであったことがそれぞれ認められることからすれば、原告の同意を得ることなく直ちに子宮の摘出手術を行わなければならないほどの緊急性があったと認めることはできない」と判断していま...