たとえば侵襲的検査や手術に際して、具体的にどのような説明を行えば、患者の有効な同意を得るための説明を尽くしたといえるのでしょうか。 裁判所は、一般に、説明すべき内容について、患者の病状、検査ないし治療の必要性、実施予定の検査ないし治療の内容とこれに付随する危険性、ほかに選択可能な方法がある場合にはその利害得失などが必要であるとしています。 臨床現場としては、当然このようなことは日常的に説明しており、わざわざ門外漢の裁判所に指摘されるほどのことでもないといったお叱りを受けるかもしれません。しかし、実際の医療訴訟において、「患者の有効な同意」といえるような説明になっていない事例も相当数あります。説明を受ける側の理解力、判断力に違いがあり、説明が必要となる具体的状況が異なることから、説明すべき内容やその程度についても画一的な基準を示すことが困難であることが関しているかもしれません。裁判でも、個別の具体的な事情を議論しながら判断されています。 ...
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