1. m3.comトップ
  2. 臨床ニュース
  3. 裁判では医療水準をどのように判断するのか

裁判では医療水準をどのように判断するのか

2024年9月9日  診断と治療社

裁判では医療水準をどのように判断するのか? 1. 裁判での医療水準の判断過程 事例2-1や2-2のように過失が明らかな事例もありますが、この医療水準の判断が難しい事例も少なくありません。医療機関の状況、医師の専門分野等といった医療者側の事情も、患者の病態も様々であり、医師からみても、過失の有無(要求される水準に達していたか)を一律に判断することが非常に難しいことは、実感されているのではないでしょうか。「このようにすべきだった」という望ましい方法があるとしても、その場面でその医師に「このようにすべきだった」と果たしていえるのか? 「このようにできたら確かによかったけれど、あの状況では無理かもしれない」という場合には、医療水準に反しているとまではいえないでしょう。 裁判では、そのような難しい作業を、医療に精通していない弁護士や裁判官らが、ああでもないこうでもない、と主張し議論して、判断するわけですから、医師にとっては、もどかしい状況であることは否めません。 2. 医療水準を判断するために提出される証拠資料 ところで、民事裁判は、証拠として提出された資料を根拠として双方が主張を組み立て、裁...