抗原回避に向けた患者教育の要点

抗原回避に向けた患者教育の要点　抗原回避に向けた患者教育において、医療者が認識すべき5つの要点を以下に示す。当たり前のことが書かれているように感じる読者は少なくないであろう。しかし、その当たり前のことが、患者にとっては「医療者から十分になされていない」と認識されている場合がある。過敏性肺炎患者が抗原回避を自分事として捉え、抗原回避のために環境や行動を改善し続けていくためには、患者自身の努力のみならず、医療者の熱意と工夫も必要である。要点1　患者の話をよく聞く（『指針』第4章pp. 13～22）　過去から現在に至るまでの生活環境や生活習慣、仕事、趣味、日々の行動、大切にしていること、望む生き方など、患者に積極的かつ詳細に尋ねる。　■理由　原因抗原や症状変化の原因を追究するため。　患者と医療者間の信頼関係を構築するため。　個々の患者の状況・状態に合わせた患者教育に繋げるため。　個々の患者の価値観を可能なかぎり考慮した抗原回避の提案により、患者のQOLや抗原回避に対する意欲の維持を図るため。　■解説　患者の話をよく聞くことは、抗原特定のための情報収集のみを目的としていない。その後に続く患者...