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医師が問われる可能性のある法的責任とその他の責任

2024年8月26日  診断と治療社

法的責任とその他の責任 医師らが問われる可能性のある責任は、大きく、法的責任とその他の責任に分けて考えることができます。法的責任には、民事責任、刑事責任、行政責任が含まれます(表1)。 1. 民事上の責任 民事責任は、不法行為、診療契約上の債務不履行があったなどとして、主として金銭的な損害賠償請求という形で責任が追及されるものです(民法709条、415条)。患者から慰謝料を請求される、患者から治療費の返還を求められる、患者から謝罪を求められるなどは、この民事責任に含まれます。 2. 刑事上の責任 逮捕される、起訴される、有罪になるなどは、刑事責任の問題です。刑事責任とは、懲役、禁固、罰金などの刑事罰が科されるものであり、民事責任と刑事責任とは、異なる手続きにより責任が追及されます。刑事責任の手続きや考え方については、本書(第2 章2.医療水準と過失―5. 無痛分娩②、p.82~86)に解説がありますので参考にしてください。医療過誤に関連して医師らが問われる刑事責任としては、「業務上必要な注意を怠り、人を死傷させた」場合に問われる業務上過失致死傷(刑法211 条)、死体を検案して異常が...