ドラッグ・ラグから「ドラッグ・ロス」が深刻な問題に
分子標的薬やがんゲノム医療の進化に伴い、特定の遺伝子変異を対象とした臓器横断的がん治療の時代が到来している。最近も、第一三共が、抗HER2抗体薬物複合体(トラスツズマブ デルクステカン)の複数のHER2陽性進行固形がんに対する変更承認申請が米食品医薬品局(FDA)の優先審査品目に指定されたことを発表したばかり(2024年1月29日付プレスリリース)。特にがん領域の分子標的薬の開発は目覚ましく、1997年には数えるほどだった承認薬数は2023年8月時点で161種類(64標的)に上る。これに伴い、日本では新たにドラッグ・ラグならぬ「ドラッグ・ロス」が喫緊の課題になっているという。1月31日、日本臨床腫瘍学会(JSMO)が開催したプレスセミナーで、室圭氏(愛知県がんセンター薬物療法部部長)が解説した。...
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