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コロナのニルマトレルビル耐性変異は低頻度で一過性

2024年10月31日  専門誌ピックアップ

米マサチューセッツ州ボストンで急性新型コロナウイルス感染症の外来成人患者156例(女性73.1%、年齢中央値56歳)を対象に、ニルマトレルビル治療後の新たな抗ウイルス耐性の発生頻度と、ウイルス学的再増殖との関連性をコホート研究で検討した。主要転帰は、抗ウイルス薬に対する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規耐性出現とした。 その結果、参加者の前鼻腔ぬぐい液からウイルスRNAを配列決定したところ、ニルマトレルビル投与群9例(11.4%)にニルマトレルビル耐性変異が検出され、投与しなかった群では2例(3.2%)だった(P=0.09)。ニルマトレルビル投与群のうち免疫抑制患者は耐性出現の頻度がもっとも高く(22.7%)、未治療患者(3.1%)よりも有意に高かった(P=0.01)。ニルマトレルビル耐性率は、ウイルス学的再増殖が認められた患者(13.0%)と認められなかった患者(10.7%)で同様だった(P=0.86)。こうした変異のほとんど(90.9%)は検出が低頻度(ウイルス集団の20%未満)で、その後の時点では野生型に戻った。...