頭頸部がん治療後の歯科治療で4割が経済的苦境

2023年3月23日から10月27日に実施したHead and Neck Cancer Alliance（HNCA）メンバーを含む頭頸部がん患者85例のアンケート調査結果を基に、歯科治療のニーズと費用負担を検討した。がん治療に伴う口腔および歯科合併症、がん治療と歯科治療の利用との関連性、がん治療後の歯科治療費を主要評価項目とした。 その結果、患者の70％で口腔の健康状態が、がん治療前より悪化していた。86％が、がん治療による口腔合併症（口内乾燥90％、齲歯48％、口腔粘膜炎40％）を報告した。がん治療後の歯科治療により経済的苦境を経験した患者は39％だった。経済的苦境の報告が少ない患者ほど学歴が高く（オッズ比0.20、95％CI 0.06-0.58）、収入が多く（同0.33、0.11-0.94）、がん治療前の歯科受診回数が多く（同0.30、0.10-0.86）、がん治療後の口腔の健康状態が維持または向上しており（同0.13、0.02-0.50）、がん治療後の歯科治療費の自己負担が少ない（同0.09、0.03-0.29）傾向にあった。...