片側乳がんへの両側乳房切除で乳がん死亡は減らず

米国のSurveillance, Epidemiology, and End Results（SEER）レジストリを用いて、病期0-III期の一側性乳がん女性に施行された乳房手術の術式ごとの20年累積死亡リスクをコホート研究で推定。乳房腫瘤摘除（部分切除）、片側乳房切除、または両側乳房切除を受けた患者を1対1対1でマッチングして3つのコホート（各3万6028例）を設定した。主要評価項目は各群の対側乳がんと乳がん死亡とし、20年間追跡した。 その結果、追跡期間中に部分切除群の766例、片側切除群の728例に対側乳がんが、両側切除群の97例に対側がんが生じた。部分切除群と片側切除群を併せた20年対側乳がんリスクは6.9％（95％CI 6.1-7.9％）だった。累積乳がん死亡率は、対側がん発症後15年時点で32.1％、対側がんを発症しなかった患者で14.5％だった（対側乳がんを時間依存性共変量としたハザード比4.00、95％CI 3.52-4.54）。乳がん死亡は、部分切除群8.54％、片側切除群で9.07％、両側切除群で8.50％と同程度だった。...