敗血症性ショック、ノルエピネフリン投与時期は予後に影響するか

敗血症性ショックの患者を対象に、ノルエピネフリン（NE）の投与タイミングが予後に影響を及ぼすかどうかを系統的レビューとメタ解析で検討。12件の研究［無作為化比較試験（RCT）4件、観察研究8件］の患者7281例を解析対象とした。NEの投与時点と投与法によって、患者を早期NE群と後期NE群に分類した。主要評価項目は全死亡率とした。副次評価項目は、集中治療室の在室日数、人工呼吸器離脱日数、腎代替療法離脱日数、昇圧薬離脱日数、有害事象、総輸液量などとした。 その結果、全死亡率はRCT（オッズ比0.70、95％CI 0.41-1.19）と観察研究（同0.83、0.54-1.29）のいずれも、早期NE群と後期NE群の間に有意差がなかった。制限的輸液戦略（昇圧薬の使用を優先し、静脈内輸液量を減らす）を行わない2つのRCTでは、早期NE群は後期NE群よりも死亡率が有意に低かった（同0.49、0.25-0.96）。観察研究では、早期NE群で人工呼吸器離脱日数が多かった（平均差4.06、95％CI 2.82-5.30）。...