膵頭十二指腸切除術後の主膵管拡張、膵外分泌機能に影響

術前に主膵管拡張を認めない膵頭部領域疾患を有する161例を対象に、膵頭十二指腸切除術施行1年後の主膵管拡張の臨床的意義と膵管拡張のリスク因子を日本の前向き多施設共同コホート研究で検討（DAIMONJI研究）。主要評価項目は、術後1年時点の主膵管拡張（主膵管径3mm超）発生率、および主膵管拡張と膵内分泌機能、外分泌機能、栄養状態、脂肪肝発症との関連とした。 その結果、術後1年時点で主膵管拡張が35例（21.7％）に認められた。脂肪便により評価した膵外分泌機能は、主膵管拡張患者の方が顕著に低下していた。しかし、内分泌機能、栄養状態および脂肪肝発症は、主膵管拡張患者と非拡張患者で同等だった。多変量解析では、血清総タンパク質レベル7.3g/dl以上が術後1年時の主膵管拡張の独立した予測因子だった（オッズ比3.12、95%CI 1.31-7.15）。...