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社会経済的地位の変化と認知症リスクに関連性

2024年6月17日  専門誌ピックアップ

65歳以上9186例(平均年齢74.2歳、男性51.2%)を対象に、生涯での社会経済的地位(SES)の変化と認知症リスクの関連を前向きコホート研究で検討。日本老年学的評価研究(JAGES)のデータを用いた。主要評価項目は、認知症発症リスクと、それに伴う生涯の非認知症期間の変化とした。 追跡期間中、800例が認知症と同定された。多くの認知症危険因子がSESの変化パターンと関連していた。下位中流SESに比べて、認知症リスクが最も低かったのはSESが上位へ移行した場合で(ハザード比0.66、95%CI 0.57-0.74)、続いて上流階級安定(同0.77、0.69-0.86)、下位へ移行(同1.15、1.09-1.23)、および下流階級安定(同1.45、1.31-1.61)だった(直線性のP<0.001)。生涯の非認知症期間も、SESが上位へ移行した場合に最も増加した(65歳時点で1.8年、95%CI 1.4-2.2)。下位へ移行した場合は、75歳以上での生涯の非認知症年数の喪失が最も大きかった(85歳時点で-1.4年、同-2.4--0.4)。...