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肝硬変患者、静脈瘤出血後に静注鉄剤で鉄欠乏性貧血への効果は

2024年6月10日  専門誌ピックアップ

静脈瘤出血(VB)による鉄欠乏性貧血を呈した肝硬変患者を対象に、カルボキシマルトース第二鉄静注鉄剤(IV-FCM)の有効性および安全性を単施設非盲検無作為化比較試験で検討。経口カルボニル鉄(鉄元素100mg/日)と比較した。VB後、ヘモグロビン10g/dL未満で鉄欠乏(フェリチン100ng/mL未満)を呈する患者を組み入れた。主要評価項目は、3カ月時点でのヘモグロビン変化量とした。 その結果、3カ月時点でのヘモグロビン増加量中央値は、IV-FCM群が3.65g/dL、経口鉄剤群が1.10g/dLだった(P<0.001)。貯蔵鉄の正常化率はIV-FCM群が84.6%、経口鉄剤群が21%(P<0.001)、貧血改善率はそれぞれ50%および21.9%だった(P<0.009)。IV-FCM群では、CLDQOL質問票(生活の質)の全ての項目で有意な改善が認められた。肝関連有害事象は両群で同程度だった。IV-FCM群の43%に、一過性の軽度/中等度低リン酸血症が認められた。...