変形性股関節症にステロイド注射が有効

中等度以上の疼痛を有する40歳以上の成人変形性股関節症患者199例（平均年齢62.8歳、女性57％）を対象に、コルチコステロイドおよび局所麻酔薬の超音波ガイド下股関節内単回注射の効果を実用的単盲検並行群間3群無作為化比較試験（HIT試験）で評価。 患者を無作為化により、助言＋教育（現在最良の治療：BCT）群、BCT＋トリアムシノロン＋リドカイン注射群、BCT＋リドカイン注射群に割り付けた。主要評価項目は、6カ月間の自己報告による股関節疼痛強度（0-10の順序尺度）とした（2週時点、2、4、6カ月時点で評価）。 その結果、BCT＋トリアムシノロン＋リドカイン群の6カ月間にわたる平均疼痛強度の改善がBCT単独群より大きかった（平均差－1.43、95％CI －2.15-－0.72、P＜0.001）。BCT＋リドカイン群との差は認められなかった（同－0.52、－1.21-0.18）。BCT＋トリアムシノロン＋リドカイン群の生体大動脈弁移植患者1例が亜急性細菌性心内膜炎のため死亡し、試験治療に起因する可能性があると考えられた。...