女子医大の医師ら5人、遺族が傷害致死罪で告訴
レポート
2015年2月19日 (木)
橋本佳子(m3.com編集長)
東京女子医科大学病院の昨年2月のプロポフォール投与事故で、2歳10カ月の男児を亡くした遺族は2月19日、厚生労働省内で記者会見を開き、同大学の麻酔科医ら5人を傷害致死罪で、刑事告訴したことを明らかにした。小児集中治療における人工呼吸中の鎮静用には禁忌のプロポフォールを、遺族の承諾がないまま大量投与したことなどが告訴理由だ。 ただし、業務上過失致死容疑で関係者の捜査を続ける警視庁と牛込警察署は、告訴状は受け取らず、「傷害致死罪も視野に入れて、捜査している。立件できる、あるいは証拠がそろった場合に告訴状を受け取る」との回答だったという。 男児の両親とともに会見した、遺族の代理人弁護士、貞友義典氏。 本件では事故後から警察の捜査が始まっており、遺族は昨年5月に業務上過失致死罪に当たるとして被害届を出していた(『医師ら10人の被害届提出へ、女子医大事故』を参照)。傷害致死罪で告訴したのは、禁忌薬の大量投与は、医療ではなく、医師の「業務外」の行為との判断からだ。プロポフォールの小児への適応拡大のためのデータ収集目的も疑われるという。 遺族の代理人弁護士、貞友義典氏は、「患者の命を救うという目的に...
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