被災地への医学部新設より優先すべきことあり - 菊地臣一・福島県立医科大学学長に聞く◆Vol.3
スペシャル企画
2013年3月15日 (金)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――医師不足が指摘されていますが、現状をお教えください。 県内137病院への調査によると、2012年12月1日時点での常勤医師数は1960人で、2011年3月1日時点との比較では、64人減(3.3%減)。看護師は2013年1月1日時点で、1万4385人、171人減(1.2%減)です。 「医学部新設は医療再生策としては良い選択肢ではないと考えている」と語り、反対する菊地臣一氏。 ――人材面での支援の状況は。 我々は原発事故に伴う健康管理調査に当たり、会津医療センターを運営し、地域医療も守る。職員数があまり変わらない中で、今懸命に支えている。福島県外に出る人を批判はできません。家族の意向で出ていく医師もいる。それを止めることはできません。だったら、今残って頑張っている人に手厚いサポートをすべきではないでしょうか。原発事故の以前は、医師不足ながらも我々は何とかやっていた。それが原発事故以降、崩壊したのですから、国がもう少し人の派遣を支援してもらいたいと考えています。 ――医師不足対策の一環として、福島県立医大の医学部の定員は2007年度の80人から、2013年度には130人に増えています。 ...
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