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石巻日赤、急患数は高止まり状態続く

スペシャル企画 2013年3月1日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

東日本大震災から早や2年。甚大な被害を受けた沿岸部は、震災直後の1年間は急ピッチで復旧が進められたものの、そのスピードは遅くなり、今は復興に向けた緩やかな階段を登っている状況にある。医療も同様で、被災した医療機関の多くは復旧したものの、街の復興をにらみながらの診療が続く。被災地は、震災前から医師不足や看護師不足に陥っており、人手不足の面でも厳しい。 現地取材、アンケート、大学トップのインタビューなどを交えて、宮城、福島、岩手の各被災地の今をシリーズでお届けする。 宮城県沿岸部の中でも、甚大な被害を受けた地域が石巻市。被災した住民も仮設住宅に入るなどしてほぼ落ち着いたものの、基幹病院の石巻市立病院と石巻市夜間急患センターが被災し診療不能になって以降、地域の唯一の急性期病院として機能する石巻赤十字病院は、フル稼働の状態が続く。 2012年3月に50床の仮設病床を増床、452床になったものの、病床稼働率は震災前よりも2、3ポイント増の96%前後と高い。平均在院日数は約11日。外来患者数は1日約1000人で震災前とほぼ同じだが、1日当たりの予約以外の急患患者数は震災前の60人から約100人に増...