医学生の学力低下、定員増と「ゆとり」原因か
レポート
2012年11月15日 (木)
橋本佳子(m3.com編集長)
全国医学部長病院長会議は11月15日の記者会見で、「医学生の学力低下問題に関するアンケート調査報告」を公表。大学教員への意識調査の結果、「医学生の学力が低下している」との回答が、2年前の調査の86%(79校中68校)から、今回は94%(80校中75校)に増加したことが明らかになった。 その根拠として、「授業中の態度(私語や教員の指示に従わないなど)」(80校中47校)、「進級試験の不合格者数の増加」(80校中42校)などが挙がり、その理由として最も多かったのが「ゆとり教育」(80校中65校)。以下、「医学部定員の増加」(80校中58校)、「若者全体のモチベーションの低下」(80校中44校)、「医学部教員の多忙」(80校中43校)などが続いた。 また学力低下以外に問題として、「メンタルな問題を抱える学生が増えた」(80校中62校)、「社会的規範(授業中の私語等)を守らない」(80校中50校)などが挙がり、多忙な教員が医学教育以外の面でも対応せざるを得ない実態が浮き彫りになっている。 その結果として、2008年度の医学部定員増以降、特に1年生、2年生を中心に留年者数や休学生が増加する傾向も...
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