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広がる“似非再生医療”を問題視

レポート 2012年9月28日 (金)  島田昇(m3.com編集部)

厚生労働省は9月26日、「再生医療の安全性確保と推進に関する専門委員会」の初会合を開催した。本委員会は、7月31日に閣議決定した「日本再生戦略」で、再生医療について、「早期にできる限り多くの実用化の成功事例創出に取り組む」「薬事規制と同等の安全性を十分確保しつつ、実用化が進むような仕組みの構築について2012年度から検討を開始し速やかに実施する」との方針が打ち出されたのを受けて、厚生科学審議会科学技術部会に設置された。委員長には、自治医科大学長の永井良三氏が選任された。 専門委員会の狙いは、iPS細胞などを使った再生医療の最先端の研究成果を、安全性を確保しつつ早期に実用化するためのルール作りの議論にあったが、26日の会議で議論の中心になったのは、自由診療で「再生医療」と標榜して行う未承認の再生・細胞医療。ヒト幹細胞を用いて豊胸やがんに対する免疫を高めることなどを狙った医療行為で、日本再生医療学会は「医師の裁量権を根拠に、ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針の遵守や薬事法に基づく治験等の申請といった安全性の確保等のための正規の手続きを経ず、幹細胞の輸注、投与、移植等の所謂、再生・細胞医...