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社会保障が高齢化に対応できず◆Vol.7

スペシャル企画 2012年4月24日 (火)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

※Vol.7とVol.8は、千葉大学小児病態学教授の河野陽一氏、民主党参議院議員の梅村聡氏の対談。 ――もう少しお話をお聞きします。話は戻りますが、梅村先生は、病院の勤務医不足に対し、「老化」と診断されましたが、河野先生は今の医師不足の状況をどう診断されますか。 河野 私は前から言っていますが、医療提供体制の問題という根本を見直す必要があるにもかかわらず、医師の数の話ばかりが先行しているのは、おかしい。「医師の数は十分ですか」と聞かれれば、現場は、「大変だ」と答える。それは分かります。でも、将来のもう少し長いスパンで見た時にも、数の話しかしていない。私も試算はしてみましたが、何年に何人まで増やしたらいいかといった医師の需給のシミュレーションには、どこまで意味があるのでしょうか。 河野陽一氏は、「医師養成数の話だけでは、解決しない」と指摘、医療提供体制全体の議論をすべきだと繰り返し主張。 ――先ほども話が出ましたが、医療を集約化するのか、それとも分散化するのか、どれくらいのレベルの国民が医療を求めるのかという議論が必要。 河野 言い方を変えると、いくら医師の絶対数を増やしても偏在したので...