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なぜ医師数論議だけが表に出るのか◆Vol.2

スペシャル企画 2012年4月6日 (金)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――今の日本は、コストとアクセス、クオリティー、いずれもかなり担保されている。 河野 日本の医療レベルは、比較的少ないスタッフ数でも非常に高い。したがって、今の問題は医師不足ではなく、医療提供体制にあるようにも思います。医師の側から言えば、一つは集約化。集約化がなされれば、医師数が少なく、大変な思いをするから嫌われる診療科、いわゆる診療科の偏在も改善するのでは。当たり前ですが、つまらない診療科などありません。各科が本来あるべき診療ができる状況であれば、若い人たちが魅力を感じる部分がすべての科に必ずある。ただ、人手不足などの問題で、人気のある科と人気のない科が出てきています。集約化により、医療のクオリティーは上がることが期待され、恐らくほかの医療職の方も集約化されるので、コストも下がるでしょう。 ただ問題は、アクセスが悪くなる点。私が米国に行った際に、ちょっとした火傷をした。病院に行こうとしたら、車で1時間かかると。それでも、米国では誰も不思議に思わない。ところが、日本で1時間というと、千葉だと東京に行ける。「千葉に病院がないから東京へ行ってくれ」と言われた時に、住民の方が納得するかとい...