1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. レセプト審査の不服、訴訟も可能、東京高裁

レセプト審査の不服、訴訟も可能、東京高裁

レポート 2011年10月31日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

社会保険診療報酬支払基金は10月31日の定例記者会見で、埼玉県のいちかわ小児科クリニックが、保険請求漏れに関して再審査請求を経ずに、裁判に訴えた事件で、東京高裁判決が10月26日にあり、支払基金の控訴が棄却されたことを明らかにした。支払基金は上告を断念、レセプト審査に不服があった場合、再審査請求という手続きを経ずに、裁判に訴えることが可能なことが確認された。 いちかわ小児科クリニックは当初、「全身性エリテマトーデス(SLE)疑い」の病名で「網赤血球数(レチクロ)検査」を算定、保険者から減点査定を受けたことを不服とし、再審査請求を経ずに、2010年7月に提訴(請求額は84円)。その後、初診料乳幼児加算の請求漏れ(600円)に関する増点補正請求も提訴理由に追加していた(『レセプト訴訟、支払基金が判決不服で控訴』を参照)。一審のさいたま地裁判決では、レチクロ検査については原告の請求を棄却。一方、増点補正請求については、「再審査の手続きによらず訴訟で診療報酬を請求することの妨げになるものではない」と原告の請求を認めたため、支払基金が控訴していた。 東京高裁は、「支払基金は、再審査請求を経ないで...