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一番頼りになったのは大学や学会 - 東北大学病院長・里見進氏に聞く◆Vol.4

スペシャル企画 2011年4月17日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

里見進・東北大学病院長は、「最前線の医師たちの要求を聞き、それに沿う支援をしなければならない。一人よがりで支援しても、相手が困るだけ」と強調する。 ――この1カ月、先生自身が、一番辛かった、大変だったことは何でしょうか。あるいは一番困ったことは。 私が一番気を遣ったのは、先ほどもお話したように、全国の大学病院に派遣をお願いしたところ、多くの大学、医療者に協力していただいたものの、被災地での受け入れの調整が必ずしもうまく行かなかったことです。私が直接言われたわけではないのですが、「○○大学は、手持ち無沙汰にしていましたよ」などという声も聞きました。「東北大に呼ばれてきたのに、結局、あまり役に役立たなかった」と皆が思っていたと考えると、辛かった。 何とか皆に活躍してもらえる方法はないかと考えて作ったのがライン制です。ラインを決めて、お願いすれば、満足感を持って帰ってもらえると思った。しかも、そもそもこうしたラインを作らないと動かないという事情もありました。 でも震災直後は、情報が乏しかったので、仕方がありませんでした。衛星電話や災害時用無線は通じたものの、携帯電話はなかなか通じず、何よりの...