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「一度は心が折れた」、JMAT医師が報告

スペシャル企画 2011年3月16日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

3月16日の日本医師会会見で、日医災害救急対策委員会の永田高志氏(九州大学病院救命救急センター)は、JMAT(日本医師会災害医療チーム)の第一弾として3月13日から15日まで福島県いわき市で活動した内容を報告、「私はアフガニスタンで医療活動を行ったことがあるが、その時と同じ衝撃を受けた。また救急医療の現場でも修羅場をくぐってきたが、今回は心が一度は折れた。それくらい辛かった」と感想を述べた(会見内容は、『「医薬品等の不足はガソリン不足が原因」、原中日医会長』を参照)。 「辛さ」の具体的理由として、永田氏は、1日1、2時間しか睡眠が取れなかったことを上げたが、そのほか携帯電話が通じにくく情報が遮断されて、「何が本当か分からなかった」(永田氏)こともある。さらには、(1)いわき市は香川県とほぼ同じ面積で被災地が広く、そこに多数の被災者がおり、対応しきれない現実、(2)福島第一原子力発電所から約50kmの地域にあり、地震の被害に加えて被ばくの危険性も生じてきたこと、(3)水や食料のほか、医薬品やガソリンなどが不足で、「もう限界に来ており、現場では切迫感を感じた。あと1、2日続ければ、飢え死に...