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「助かる命も助からない、ガソリン不足が致命傷」

スペシャル企画 2011年3月15日 (火)  久保谷康夫(医療法人康生会理事長)

私は、岩手県岩手郡雫石町で、療養病床の鶯宿温泉病院などを運営しています。ライフラインの確保が一義的ですが、地方では、ガソリンの欠乏状態が続いております。このままガソリン不足が継続すると、入院患者さんや入所者の看護・介護や医療行為ができません。 すなわち、自分の車のガス欠状態のために、職員の何人かは病院や施設に泊まりこんでいます。それでも宿泊できる職員には限りがあり、通勤してくる職員がいないと、不十分な医療でさえ提供できません。 医師会から被害者の検死要請が参っていますが、それさえもガス欠状態では困難です。時の政府は何を考え、何を優先順位にしているのでしょうか。 子供手当の財源があるなら、前払いでも、後払いでも、必ずお支払いしますから、子供手当の財源を、一時でも、ガソリンなどの燃料費に回していただきたいです。 そうしてくれないと、一番安全なはずの病院や施設で、惨状をお目に掛けそうで、医療従事者としては涙が出てきます。 今は、職員は、5人程度相乗りなどして、急場をしのいでいます。都市部だと自転車を利用する方法もありますが、当地では片道2~3時間要します。 ガソリンだけでなく、重油も枯渇して...