朝日を名誉毀損で提訴、損害賠償と謝罪広告の掲載求める
レポート
2010年12月8日 (水)
橋本佳子(m3.com編集長)
「記事は、誹謗中傷に当たる内容に仕立てられており、非常に憤りを感じる。細かい点があやふやな形で書かれており、最終的には私がお金を儲けるためにやったように、物事を歪めている構成になっている。この記事を見た患者には動揺が走り、41の患者団体が、『正確な報道を求める』という声明を出したことは(『がん臨床研究の停滞を憂慮、41の患者会有志』を参照)、いかに記事がミスリードするものであるかを象徴していると考えている。 目の前にいる患者を何とか救いたいと考えている研究者の気持ちをここまで踏みにじるような内容は、断じて許せない。暴言であり、明らかにペンの暴力。がん難民などと言われているが、患者が最新の治療にアクセスできない状況も生じている。提訴したのは、私個人の問題ではなく、研究者、患者・家族の気持ちへの配慮がない記事は、看過できないため。金銭目的で提訴するのではない。勝訴した場合、訴訟費用以外は、育英会などに寄付する予定」 東京大学医科学研究所教授の中村祐輔氏は12月8日の記者会見の席上、朝日新聞社を提訴した理由をこう説明した。 中村氏は、オンコセラピー・サイエンス社(角田卓也・代表取締役社長)と...
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