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「アウトブレイクで警察が介入」では医療は成り立たず◆Vol.1

スペシャル企画 2010年9月16日 (木)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

帝京大学医学部附属病院は9月3日、記者会見を開き、多剤耐性アシネトバクターによる院内感染を公表した。メディアで連日報道される中、警察による任意聴取が開始され、医療界からは警察による介入を疑問視する声が多数上がっている。 院内感染はいくら徹底しても、100%防止することは不可能。自治医科大学医学部感染免疫学講座・臨床感染症学部門・准教授の森澤雄司氏と、福島県立大野病院事件で被告医師の弁護人を担当した弁護士の安福謙二氏に、今回の帝京大学の事例などを基に、院内感染対策と刑事司法の観点から語っていただいた。(2010年9月9日に実施。計4回の連載)。 ――最初に帝京大学のニュースを耳にした時、どう思われましたか。 安福 福島県立大野病院事件以降、「捜査機関は謙抑的になってきた」とも言われますが、「捜査が萎縮してはならない。本来のあり方に立ち戻るきっかけにするんだ」と警察が考えたのかもしれない、そんな不安を私は覚えました。 安福謙二氏 1972年東京大学経済学部卒、78年弁護士登録。84年安福法律会計事務所開設。一般民事・刑事事件のほか、医療問題に関するNPO活動、医療事故に関する裁判(民事、刑...