共通IDの整備が「どこでもMY病院」のカギ - 東京大学大学院情報学環准教授・山本隆一氏に聞く◆Vol.3
インタビュー
2010年7月22日 (木)
橋本佳子(m3.com編集部)
――「どこでもMY病院」には、長期間の初期投資が必要になります。 それを「pre- population」と言います。これは非常に重要な話で、「本人が情報を管理してくれ」と言う前段階から、「将来、その人が使うであろう箱の中に入っている」「この情報は本人以外は誰も見ることができない」「一生使わなければ、誰も見ないで消えていく」という箱を作らなければならない。 ではこの箱をどのように識別するのか。それは現状では無理で、そこで共通IDが必要になってきます。出生届が出た時点で、その人の箱が作られ、各種健診、レセプト情報、調剤情報などが蓄積される。小学生の時は肥満だった、しかし、高校生の時はスポーツをしていて体重は減った。この人が、50歳で“メタボ”と診断された時に、放っておけば太る体質なのかなどを踏まえながら管理をする。過去の病歴を見ながら、次のステップに進む状況を作らなければなりません。 この箱の管理は、保険証番号や医療機関の診察券番号では絶対無理。何らかの共通IDが必要で、いよいよ健康に気をつけなければならないと思った時に、市役所の窓口で「健康管理カードがほしい」と言えば、発行される。本人...
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