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「どこでもMY病院」構想は日本国民の権利-東京大学大学院情報学環准教授・山本隆一氏に聞く◆Vol.2

インタビュー 2010年7月16日 (金)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

――「時間軸を越えて」とは、生涯にわたってデータを管理するという意味ですか。 はい。生まれてから死ぬまで、自分の健康にかかわる情報をいつでも活用できるようにするためのチャレンジは、世界中で始まっています。日本でも、「どこでもMY病院」構想が打ち出されています(『「どこでもMY病院」、2013年から一部サービス開始へ』を参照)。 母子手帳から始まり、予防接種、3カ月、6カ月、1歳などの健診、小学校、中学校、高校の学校健診、職場健診に関する情報があります。そのほか、がん検診、40歳を超えれば特定健診が始まり、人間ドックを受けることもある。実に様々な健康にかかわる情報がある。しかし、「皆、忘れる」。結果などは覚えていない。けれども、覚えていれば役に立つ情報がたくさんあるわけです。 例えば、米国に留学する際には、麻疹などの予防接種の有無を確認されます。さらに、「どの会社のどのロットのワクチンを接種したのか」などまで分かれば、将来、何らかの副作用、薬害が起こったときなどに役に立ちます。 ――薬害肝炎の問題では、過去にさかのぼって様々なことを調査するのに苦労しています。 では、生まれてから死亡する...