最も必要かつ有効なのは薬関連の情報の利活用 -東京大学大学院情報学環准教授・山本隆一氏に聞く◆Vol.1
インタビュー
2010年7月13日 (火)
聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)
政府のIT戦略本部は5月に「新たな情報通信技術戦略」を公表、この6月にはその工程表をまとめた。重点分野の一つが医療で、(1)「どこでもMY病院」構想の実現、(2)シームレスな地域連携医療の実現、(3)レセプト情報等の活用による医療の効率化、(4)医療情報データベースの活用による医薬品等安全対策の推進――の4施設が掲げられている。 医療分野のIT化に詳しく、IT戦略本部の下部組織「医療評価委員会」座長をはじめ、多数の政府の審議会等の委員を務める、東京大学大学院情報学環准教授の山本隆一氏に、医療分野のIT化の現状と課題についてお聞きした(2010年6月30日にインタビュー)。 山本隆一氏 1979年大阪医科大学卒業、内科研修医などを経て、86年同大学第一病理学助手、98年同大学病院医療情報部講師、助教授、2003年東京大学大学院情報学環助教(現・准教授)。 ――現在、医療分野のIT(情報技術)化はどの程度、進んでいるのか、その現状認識をお教えください。 私は、情報は活用するためにあり、そのための電子化は相当のレベルで進んでいると考えています。 確かに電子カルテの普及率は2割程度ですが、別に...
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