医療バッシングが弁護士会主導ADRへの抵抗感の背景に
レポート
2010年7月8日 (木)
橋本佳子(m3.com編集長)
「まさに小山委員(小山信彌・日本病院団体協議会代表)が言っているのが現実。これまで医療機関に対するバッシングが強かった。確かに医療機関が隠蔽していた事例もあった。しかし、現在は違う。医療事故専門の弁護士に叩かれたことが、医療者のトラウマになっている。だから弁護士会主導によるADRに抵抗があるのは事実。医師と弁護士との対話が重要であり、お互いの理解がないとADRは発展しない。この会議が相互理解を進める場であってほしい」 7月7日に開催された厚生労働省の「医療裁判紛争解決(ADR)機関連絡調整会議」の第2回会議で、こう指摘したのは、小松満・茨城県医療問題中立処理委員会代表(茨城県医師会副会長)。前回の東京、愛知、千葉の三つの医療ADRの事例に続き(『医療裁判外紛争解決(ADR)機関の連絡調整会議発足』を参照)、今回は札幌弁護士会法律相談センター、茨城県医療問題中立処理委員会、広島弁護士会仲裁センターの三事例が紹介された(資料は厚労省のホームページに掲載)。 医療ADRは、茨城のような「医師会主導型」、札幌のほか、東京などの「弁護士会主導型」のいずれかのパターンが多い。議論の過程で浮かび上が...
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