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“阿修羅症候群”の勤務医対策が課題、新会長に黒岩・横浜市立大医学部長

レポート 2010年5月21日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

全国医学部長病院長会議は5月21日、定例総会を開催、会長に横浜市立大学医学部長の黒岩義之氏、副会長には東京慈恵会医科大学附属病院長の森山寛氏をそれぞれ選任した。任期は2年。前会長の岩手医科大学学長の小川彰氏、前副会長の千葉大学附属病院長の河野陽一氏は顧問に新たに就任する。また専門委員会委員長会委員長の嘉山孝正氏(国立がん研究センター理事長、前山形大学医学部長)は相談役に就任した。 総会後、黒岩氏は、「大学勤務医は、医学部定員増への対応のほか、臨床があり、さらに研究に当たっては外部資金の獲得が求められる。様々なニーズ、要望が勤務医のところに来る中で、じっと我慢して、にこやかな観音様のような顔で対応しなければならない、つまり現状の勤務医は、"阿修羅症候群"、"千手観音症候群"とも言える状態にある」との問題意識を提示、現状の大学は収益性が求められ、教育が犠牲になりつつあるとし、勤務医の過酷な労働実態を改善する必要性を強調した。 森山氏も、「いい医療を提供するためには、医師の環境改善が不可欠。そのためには給与体系の見直し、コメディカルとの役割分担、外科・産婦人科など訴訟リスクが高い診療科への対...