1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 患者側弁護士を懲戒請求したわけ - 堤晴彦・埼玉医大高度救命救急センター教授に聞く◆Vol.1

患者側弁護士を懲戒請求したわけ - 堤晴彦・埼玉医大高度救命救急センター教授に聞く◆Vol.1

インタビュー 2010年6月2日 (水)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター教授の堤晴彦氏は2009年2月、ある“医療事故”の患者側の代理人として弁護活動を行った弁護士の懲戒請求を行った。同弁護士所属の弁護士会は2010年3月、当該弁護士に対し、業務停止6カ月の処分を下した。堤氏が懲戒請求を行ったのは、交通事故で病院に搬送され、搬送2日後に死亡した患者側の代理人弁護士。同弁護士は、医療事故に伴う損害賠償請求を行い、さらに数年後、交通事故の加害者に対しても損害賠償訴訟を起こすことにより、損害賠償金を二重に受領したことに関与したことが懲戒処分の理由だ。 「弁護士の行為を問題視するとともに、弁護士会の懲戒処分制度がどのように機能しているのかを自らの目で確かめたかった」と語る堤氏に、事の経緯をお聞きした(2010年5月20日にインタビュー)。 「弁護士会の懲戒処分制度は、医療界が手本とすべきものではないという印象を強く持った」と語る堤晴彦氏。 ――なぜ懲戒処分を請求したのでしょうか。 現在、医療事故が社会問題化しています。患者・遺族側は、医療界に、「逃げない、隠さない、ごまかさない」ことを求める。この要望に対し、医療界も...