「総枠増額なしの診療報酬配分の見直し」はマニフェスト無視◆Vol.11
レポート
2009年11月27日 (金)
橋本佳子(m3.com編集長)
全国医学部長病院長会議は11月27日、記者会見を開き、「診療報酬改定の基本方針に対する全国医学部長病院長会議からの提言」と題する声明を公表した。11月11日の行政刷新会議の事業仕分けで、開業医と勤務医の報酬の平準化など、「診療報酬の配分の見直し」が提言されたことを受けたもの(『医療主要6分野、「予算削減」「要求見送り」「見直し」へ』を参照)。 会長の小川彰氏(岩手医科大学学長)は、「小泉改革で既に医療は疲弊している。対GDPで見た医療費は、OECD諸国で21番目にとどまる。民主党はマニフェストで医療費を国際標準まで引き上げるとしており、期待していた。しかし、医療費の総枠の増額を前提としないで、配分の見直しのみで事態を収束させようとしている。これはマニフェスト無視であり、到底容認できない」と問題視した。 「開業医の診療報酬を引き下げることは、地域医療で重要な役割を担っている開業医の経営環境・労働環境を圧迫し、地域医療の崩壊をさらに悪化させる可能性をはらんでいる。その結果、勤務医のさらなる負担増など悪循環を引き起こすことが懸念される。今のやり方は、力が強いところが取っていく、旧政権時代の手...
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