1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 循環器疾患の死亡率、アドヒアランスの高低で3倍以上の差

循環器疾患の死亡率、アドヒアランスの高低で3倍以上の差

レポート 2021年1月12日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

循環器疾患では、健康診査関連、リハビリテーション、生活指導など健康関連行動(アドヒアランス)に関連する計8つの指標が、3~4年後の生命予後(死亡率)と医療・介護費に関係することが、東京大学大学院医学系研究科医療経済政策学特任教授の田倉智之氏らが開発したモデルを用いた推計で明らかになった。4万8456人のレセプトなどのデータと医療AI(人工知能)を活用した、後ろ向きのコホート研究の成果だ。BMC medicineに1月8日に掲載された(BMC Med 19,15 (2021).)。 田倉氏が開発したのは「ASHROスコア」という、アドヒアランスに関係する指標を基に約4年後の生命予後と医療・介護費を予測するモデル。患者の状態はアドヒアランスを基に10段階でスコアリングされるが、スコアの高値と低値で2群に分けた場合、死亡率(3~4年後)は、スコアが低い群では2%(6154人中、123人)だったのに対し、高い群では7%(6154人中、430人)で、両群間に統計的な有意差が見られた。医療・介護費についても、5群に分けたスコア帯の間で有意差が確認された。 (提供:田倉氏) 8つの指標とは、健康診査...