MERSウイルス感染症、韓国流行をうけて
オピニオン
2015年6月10日 (水)
木村盛世(医療法人財団 綜友会 医学研究所所長)
MERS(Middle East Respiratory Syndrome Corona-virus:中東呼吸器症候群が韓国の医療機関で流行しています。あまり聞きなれない名前ですが、2012年にサウジアラビアで初めてみつかった、新しいウイルスで、2002年から2003年に流行したSARS(重症呼吸器症候群)と同じ、コロナウイルスというグループに属します。 2012年から2013年には、中東を中心に、世界で流行しました。その際、中東からの滞在者からの感染がほとんどでした。ラクダの感染症と考えられていましたが、2013年にフランスとイギリスでの症例については、限局的なヒトヒト感染によると報告されています。ヒト、ラクダの他、ブタ、コウモリなどでも感染が確認されていますが、何分新しいウイルスですので、不明なところも多いのが現状です。MERS ウイルスの生体外での安定性については、低温で低湿度の場合、48時間程、安定性(生存性)が持続するとの報告があります。http://www.eurosurveillance.org/images/dynamic/EE/V18N38/art20590.pdf ...
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